塩野義「ゾコーバ」 年間1000億円超で薬価再算定 新型コロナ

　新型コロナウイルス感染症の抗ウイルス薬「ゾコーバ」について、厚生労働省は15日、薬価（医薬品の公定価格）の算定方法の特例的な取り扱いを決めた。類似の既存薬を参考に算定し、市場規模が拡大した場合に価格を抑える調整（再算定）は、新型コロナの感染状況やゾコーバが投与された患者の割合から推計される市場規模が年間1000億円超となる場合に実施する。

　同日にあった厚労相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」（中医協）で承認された。

　市場規模が1500億円を超える見込みの新薬は、薬価を決める前に算定方法を議論するルールがある。同じ抗ウイルス薬のラゲブリオが5日間の投与で約9万円かかることや、感染者が急増した場合に市場規模が大幅に拡大する可能性があるとして、初めてこのルールが適用された。

　ゾコーバは昨年緊急承認された塩野義製薬の軽症者向け飲み薬。現在は国が買い上げて無料で提供されている。【神足俊輔】