安倍晋三元首相を銃撃したとして殺人罪などで起訴された山上徹也被告(42)を巡り、被告の弁護団が大阪拘置所(大阪市都島区)への移送を取り消すよう求めた準抗告について、奈良地裁は15日、申し立てを棄却する決定を出した。弁護団が明らかにした。
山上被告は13日に公職選挙法違反など計五つの容疑で追送検され、奈良地検が14日、奈良県警奈良西署から大阪拘置所に身柄を移送した。弁護団は同日、遠方の大阪拘置所での勾留は接見交通権の侵害だとして、奈良市にある奈良拘置支所などでの勾留を訴え、移送の取り消しを求めていた。
弁護団によると、地裁は事件の重大性を鑑みて厳重な警備態勢が必要と指摘。弁護団が移送先として求めた奈良拘置支所などは警備要員が確保できないなどと判断したという。弁護団は決定を不服として特別抗告を検討する。【吉川雄飛】