ロシアによるウクライナ侵攻はエネルギー価格の高騰に拍車をかけ、日本でもガソリン高や電気料金の値上げにつながり、家計を直撃した。
原油価格は、ウクライナ情勢の緊迫化による供給不安を背景に侵攻開始前から上昇していた。2022年3月、米英がそろってロシア産原油の禁輸を表明し、国際的な指標となるニューヨーク原油先物相場の米国産標準油種（WTI）は約13年ぶりの1バレル＝130ドル台まで上がった。主要7カ国（G7）は12月にロシア産原油に上限価格を設け、原油市場を取りまく中長期的な不透明感は増している。
世界2位の生産量を誇るロシア産ガスの最大の買い手だった欧州の天然ガス価格は、22年夏に過去10年の平均価格の10倍超まで急騰した。欧州各国は冬場のエネルギー危機に備えて企業や家庭に節電を要請したが、記録的な暖冬に伴う需要低下にも助けられ、現在は侵攻前の水準まで価格は下落している。天然ガスの過半をロシアに依存してきたドイツは、「脱ロシア」の代替策として液化天然ガス（LNG）調達のための施設を新設。調達先の多様化を模索している。【五十嵐朋子】
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ロシアのウクライナ侵攻は世界にどのような影響を及ぼしたのか。さまざまなデータから迫る。
