歯列矯正無料うたい高額ローン＝１５３人が集団提訴―東京地裁

　歯列矯正治療が実質無料になると勧誘されて高額なローン契約を結んだ後、施術が受けられなくなったとして、男女１５３人が２６日、歯科医院を運営する「デンタルオフィスＸ」（東京）や「グランシールド」（同）など３社と経営幹部ら１８人を相手に計約２億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。原告団は記者会見で、刑事告訴も検討していると明らかにした。 　訴状によると、原告らは東京都や京都府、福岡県内にあるデンタル社の医院とマウスピースを使った施術をローン契約する一方、グラン社との間でモニターモデル契約を締結。毎月一定額のモデル料が支払われることで１５４万～１８７万円の施術費が実質無料になるとされたが、支払いは昨年３月からストップした。 　原告団によると、施術費は通常の数倍に当たり、少なくとも１４００人が勧誘され契約したとみられる。都内２カ所にある医院は閉院し、かみ合わせが悪くなるなどの健康被害も出ているという。 　会見した原告の３０代女性は「上顎と下顎のかみ合わせがずれ、治療されないまま閉院した。１３０万円の借金が残り、この先どうしていいのか分からない」などと涙ながらに訴えた。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕歯列矯正を巡るトラブルで歯科医院運営法人などを提訴し、記者会見する原告団＝２６日午後、東京都千代田区