マルチ商法業者、３８億円所得隠し＝アイテック社グループ―東京国税局など

　化粧品などを販売する連鎖販売取引（マルチ商法）業者の「ＩＴＥＣ　ＩＮＴＥＲＮＡＴＩＯＮＡＬ（アイテック　インターナショナル）」が、東京国税局などの税務調査を受け、グループ会社を含め計約３８億円の所得隠しを指摘されたことが１８日、関係者への取材で分かった。重加算税を含めた法人税や消費税計約１９億５０００万円を追徴課税されたとみられる。 　消費者庁は２０２１年８月、アイテック社が勧誘目的を明示しなかったなどとして、特定商取引法違反で６カ月間の取引停止と業務停止を命じていた。　 　関係者によると、同社は２０年１１月期までの３年間に、取引先への外注費を架空計上したり、売り上げの一部を申告しなかったりして利益を圧縮。法人税などの負担を不当に免れていたとみられる。 　税務調査はグループ会社や仕入れ先など２０カ所以上が対象となり、東京国税局のほか、関東信越、金沢、高松、福岡の各国税局も実施していた。 　申告漏れ総額は、勧誘活動に関わった疑いのある会員も含めてグループ全体で約４９億円と国税当局は判断。このうち約３８億円が所得隠しに当たるとみているもようだ。（了）【時事通信社】