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「弱者踏みつける社会背景」=安倍氏銃撃半年で識者


 安倍晋三元首相銃撃事件では、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)による被害が社会問題化し、政界にも影響が及んだ。街頭演説中の元首相が白昼に射殺された衝撃的な事件の背景について、改めて識者に聴いた。  ジャーナリストの大谷昭宏氏は「安倍氏の影響力から、(教団の問題を)世間に一番知らしめられる方法を選んだ。言い分を通すため暴力に訴えるなら、戦争だっていいという話になる。絶対に認めてはならない」と批判する。一方で旧統一教会問題について、「これだけの問題を政治家やわれわれメディアが放置し、事件で気付かされたのは恥ずべきこと。容疑者の主張とは無関係に、責任を負わなければならない」と訴えた。  大谷氏は、留置場で暴行された男性が死亡した例など、昨年は声を上げられない弱い立場の人が踏みつけられる事件が相次いだと指摘。「今の社会は、マグマのようにたまったうっぷんを下へ下へと押し付けている。それが続くと、もう我慢できないと爆発する人が出てくる。そういう社会をつくったことを率直に反省しなければならない」と述べた。  社会学者の大澤真幸氏は銃撃事件後、オウム真理教によるテロ事件を連想したという。いずれも背景に宗教があったものの、「オウム事件は荒唐無稽な世界観から起きたが、今度の事件にはそうした要素は全くなかった。非常にストレートな苦しみや恨みから起こされた」と分析する。  社会から孤立した容疑者が起こした点で、銃撃事件と東京・秋葉原の無差別殺傷事件などとの類似性を指摘する声もあった。大澤氏は「秋葉原事件の元死刑囚は、自分の存在に注目してくれる『まなざし』がないことに苦痛を感じて凶行に及んだと感じるが、銃撃事件の容疑者は社会に対して何か助けを呼ぼうとする気持ちはなかったのではないか」と推測する。その上で、「『まなざし』の不在を当たり前のように受け入れ、渇望する意欲もないほど疎外された人がいることが、深刻な形で浮き彫りになった」と話した。  旧統一教会問題については、「新興宗教に関して親子の間で断絶が生じることは昔からあったが、(オウムなど)宗教に入った子どもを親が取り戻そうとする構図が主だった。今回はそれが正反対になっている」と指摘。宗教2世問題の浮上などから、「一つの時代の転換が見えた」と語った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕安倍晋三元首相が銃撃され、騒然とする近鉄大和西大寺駅前=2022年7月8日、奈良市
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