ロシア、原油価格上限に対抗＝２月から供給禁止―例外規定も

　ロシアのプーチン大統領は２７日、ウクライナ侵攻を非難する西側諸国が設けたロシア産原油の価格上限を巡り、参加する国に対する原油・石油製品の供給を来年２月１日以降に禁止する大統領令に署名した。期間は７月１日までの５カ月間。今回の対抗措置には例外規定も設けている。 　現地紙ＲＢＫによると、大統領令を受け、国際原油価格の指標となる英国産北海ブレント先物相場は一時１バレル＝８６ドル近くまで上昇した。 　日本を含む先進７カ国（Ｇ７）と欧州連合（ＥＵ）、オーストラリアは今月５日、海上輸送されるロシア産原油の取引価格に１バレル＝６０ドルの上限を設定する追加制裁を発動。ただ、友好国のインドや中国は参加せずに買い支えており、制裁の効果は限定的とみられている。 　大統領令は、西側諸国の制裁を「非友好的かつ国際法に反する行動」と批判。原油の供給は２月１日から即日禁止し、石油製品はそれ以降にロシア政府が決めた日からの適用となる。 　一方で「大統領の特別な決定に基づけば、ロシア産原油・石油製品を供給できる」という例外規定を設けた。対抗措置による禁止一辺倒ではなく、柔軟姿勢も示した格好だ。 　西側諸国の制裁では、日本が参画する極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン２」で生産された原油は対象外としている。　【時事通信社】