トップ指名の「総長」認めず＝神社本庁側が勝訴―「役員会の議決ない」・東京地裁

　全国の神社を取りまとめる宗教法人「神社本庁」（東京都渋谷区）の代表役員である「総長」の人事を巡り、最高幹部の「統理」から指名された芦原高穂理事が総長の地位にあることの確認を求めた訴訟の判決が２２日、東京地裁であった。笹本哲朗裁判長は役員会での議決を経ていないとして、請求を棄却した。 　判決などによると、神社本庁は総長について「役員会の議を経て、理事のうちから統理が指名する」と規定。鷹司尚武統理は５月、芦原理事を指名したが、翌月の役員会では１５人中９人の賛成多数で田中恆清総長の続投が議決され、総長が決まらない事態になっていた。 　審理では規定の解釈が争われ、笹本裁判長は判決で「『議を経る』とは、役員会の議決を意味すると解するのが合理的だ」と指摘。「統理の行為に関する責任は役員会が負うものとされており、指名の前提に役員会の判断がある」として、芦原理事の総長としての地位を認めなかった。 　判決を受け、芦原理事はオンライン報告会で「受け入れることは難しい」と述べた。神社本庁代理人の小川尚史弁護士は記者会見で、「重みのある判断だ。総長を巡る問題は解決に向かうだろう」と話した。　（了）【時事通信社】