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「少しでもお手伝いを」=遺族支えた女性警察官―大阪ビル放火殺人1年


 大阪市北区の雑居ビルで起きた放火殺人事件から17日で1年。被害者家族の支援に当たった大阪府警の女性警察官が15日までに、時事通信のインタビューに応じた。当時の経験を踏まえ、「被害者家族はみんな心に深い傷を負っている。最初に接する警察官が少しでもお手伝いできることがあれば」と話す。  女性は、現場のビルが管内にある天満署の丸尾智子警部補。事件が起きた昨年12月17日は公休日で、買い物中にメールで火災を知り、「えらいことになっている」と直感した。過去に性犯罪の被害者支援を経験していたが、放火殺人事件の支援要員になるのは初めてだった。  丸尾警部補が他の警察官と2人1組で担当したのは、大阪府外に住む被害者の両親。発生から3日後の20日、JR新大阪駅で初めて対面し、「ありがとうございます。すみません」と丁寧な対応が印象に残った。  同駅から、重篤な状態だった子どもの入院先へ府警の公用車で移動中、両親は子どもの幼少期の思い出などを話していた。現実を受け入れたくないという思いを感じつつ、「自分たちでできることは何か」と考え続けた。  両親は大阪に3日間滞在。その間に子どもは亡くなった。「ご家族の意向、何をしてほしいのかという気持ちを酌み取れているのか」「良かれと思ってやっているが、それを向こうが望んでいるのかは分からない」と自問自答した。  丸尾警部補は「いつでも寄り添いたい」との気持ちで、この両親に私用の携帯電話番号を教えていた。府外に戻った両親に連絡した際、「あなたたちが担当で良かった」と感謝の言葉を掛けられ、「やっていることは間違っていなかった」と初めて思うことができた。今年3月にも、両親と話す機会があったという。  「被害者家族とは24時間つながっている。何でもいいから話を聞いてほしい時、そういう役回りの人がいたら心強いのではないか」。丸尾警部補は今後も、支援対象者に自分の携帯電話番号を教えるつもりだ。常につながっているという安らぎを感じてもらうと同時に、自分にとっても「被害者家族を支援していく上で支えになるのではないか」と語る。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕大阪市北区の雑居ビルで起きた放火殺人事件から1年がたつのを前に、インタビューに答える女性警察官=8日、大阪市中央区
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