保管庫点検せずに放置＝留置場容疑者自殺、虚偽報告も―午後報告書公表へ・大阪府警

　大阪府警福島署の留置場で女性殺害事件の容疑者が自殺した問題で、留置担当の署員が内規に反し、容疑者が私物を入れていた保管庫を約１カ月にわたり点検していなかったことが１４日、府警関係者への取材で分かった。点検を実施したと虚偽の記録も作っていたという。 　府警は同日午後、調査チームによる検証結果をまとめた報告書を公表する。　 　事件では、同府高槻市の女性＝当時（５４）＝に対する殺人容疑などで再逮捕された高井凜容疑者＝当時（２８）＝が９月１日、同署の留置場で首をつって自殺を図り、搬送先の病院で死亡した。高井容疑者は女性との養子縁組で虚偽の届け出をしたとして７月２０日に有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕され、同日から同署に留置されていた。 　保管庫からは、容疑者が自殺に使用したとみられる私物の破れたＴシャツが複数枚発見された。関係者によると、内規では月２回以上点検しなければならないが、容疑者が自殺を図るまでの約１カ月間は全く点検していなかったという。また、府警は８月２６日に署員がチェックして異常が確認されなかったと説明したが、実際には点検をせずに虚偽の報告をしていたという。（了）【時事通信社】