１億円脱税容疑で告発＝国事業受注のシステム開発会社―東京国税局

　法人税を申告しなかったほか、従業員の源泉所得税を納めず、計約１億円を脱税したとして、東京国税局査察部がシステム開発会社「リンクオフ」（東京都世田谷区）と同社の小池隆志代表（５３）を法人税法違反容疑などで東京地検に告発したことが１２日、関係者への取材で分かった。同社は経済産業省が発注した職員情報データベース作成事業の入札に参加し、受注するなど国の仕事も請け負っていた。 　関係者によると、小池代表は必要性を認識しながら法人税などの確定申告をしなかったほか、給与支払いの際に従業員の所得税を徴収しなかった。２０２０年１２月期までの３年間の法人所得計約３億４６００万円を申告せず、法人税など約８５００万円を免れた上、同１２月までの３年間の源泉所得税約１８００万円も納めなかった。 　脱税で得た資金は趣味の音楽鑑賞やサッカー観戦などに充てたとみられる。　 　経産省は入札参加資格として、税金の未納がないことの証明書の提出を求めていた。しかし、小池代表はそもそも申告をしなかったため、書類上は未納がないことになっており、応札することが可能だったという。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕東京国税局＝東京都中央区