山下元参院議員に有罪＝新幹線グリーン券詐取―名古屋地裁

　現職の国会議員に成り済まし、東海道新幹線のグリーン券をだまし取ったなどとして、詐欺と有印私文書偽造・同行使の罪に問われた元参院議員山下八洲夫被告（８０）の判決が７日、名古屋地裁であった。森島聡裁判長は「国会議員時代に得た知識や経験、支給品を悪用した」として、懲役２年、執行猶予４年（求刑懲役２年）を言い渡した。 　森島裁判長は、山下被告が議員時代に無料で利用できた新幹線代に金を掛けるのはもったいないと考え犯行に及んだことを指摘。「国会議員であった自身の行動の重大性や社会的影響についての自覚が欠けている」と非難した。一方、鉄道会社に被害弁償を支払う意思を示していることなどから執行猶予を付けた。 　判決によると、山下被告は３～４月、ＪＲ東京駅の窓口で有効期限が切れた国会議員用鉄道乗車証（無料パス）を駅員に示し、偽造した議員用申込書を提出。現職議員を装い、東京―名古屋間の新幹線特急券・グリーン券５枚をだまし取るなどし、計４万９２８０円の支払いを免れた。 　判決後、山下被告は報道陣に対し「心から深く反省しおわび申し上げます」と一礼した。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕判決後の山下八洲夫被告＝７日午後、名古屋市