性的少数者の権利後退も＝「右傾化」最高裁で注目訴訟―米

　【ワシントン時事】米最高裁は５日、性的少数者の権利を巡る訴訟の口頭弁論を行った。同性婚に反対のウェブデザイナーが、同性カップルの結婚式招待サイト制作を拒否したことに起因する裁判。最高裁はトランプ前政権時代に保守的な判事が多数派となったことから、性的少数者に不利な判決を下す可能性があるとして注目されている。 　ウェブデザイナーは宗教上の理由から同性婚に反対しており、企業に特定の顧客へのサービス拒否を禁じるコロラド州法に関し、「言論の自由に反する」として提訴。州側は、デザイナーの主張を認めれば差別の合法化につながると反論している。 　最高裁は６月、人工妊娠中絶の憲法上の権利を否定する判決を下した。この中で保守派判事の１人が同性婚の権利見直しにも言及したため、性的少数者の間で懸念が高まっている。判決は来年夏の開廷期末までに言い渡される。　【時事通信社】 〔写真説明〕５日、ワシントンの米最高裁前で、支持者らと話すウェブデザイン会社のオーナー（ＡＦＰ時事）