「ナイス」元会長ら有罪破棄＝粉飾決算、審理差し戻し―東京高裁

　建築資材・不動産販売「ナイス」（旧すてきナイスグループ、横浜市）の粉飾決算事件で、金融商品取引法違反（有価証券報告書の虚偽記載）罪に問われた元会長平田恒一郎被告（７４）らの控訴審判決が１日、東京高裁であった。大善文男裁判長は、有罪とした一審横浜地裁判決に「事実誤認がある」として破棄し、審理を地裁に差し戻した。 　地裁は、架空の取引で売り上げを水増ししたと認定したが、大善裁判長は売買契約が締結され、代金も支払われるなどしたことから「実態はあった」と指摘。その上で、取引結果の計上が会計基準に反していたと言えるかを判断させるため審理を差し戻した。 　一審判決によると、被告らは２０１５年６月、虚偽の有価証券報告書を関東財務局に提出した。 　一審で平田被告は懲役２年６月、執行猶予４年、元社長日暮清被告（７１）は懲役１年６月、執行猶予３年とされた。 　山元裕史・東京高検次席検事の話　判決内容を十分に精査し、適切に対処したい。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕東京高裁＝東京都千代田区