府警捜査員がブラジル連邦警察と接触＝堺市母子殺害、代理処罰要請の公算

　【ブラジリア時事】堺市東区のマンションで８月、住人の荒牧愛美さん＝当時（２９）＝と長女リリィちゃん＝同（３）＝が殺害された事件で、大阪府警の捜査員が２１日、殺人容疑で国際手配中の夫バルボサ・アンデルソン・ロブソン容疑者（３３）の母国であるブラジルの首都ブラジリアで連邦警察と接触した。事件概要を説明した上で、捜査協力を求めたとみられる。 　バルボサ容疑者は事件直後に帰国し、故郷の南東部パラナ州ロンドリナ近辺に潜んでいるとされる。府警は同容疑者が自発的に日本に戻ることを望んでいるが、可能性は低い。日本は米国、韓国としか犯罪人引き渡し条約を結んでいない上に、ブラジルは憲法第５条５１項で「いかなるブラジル人も、犯罪人として外国に引き渡されることはない」と規定。身柄引き渡しは非現実的で、事件をブラジルの司法に委ねる「国外犯処罰」（代理処罰）を要請する公算が大きい。　【時事通信社】 〔写真説明〕堺母子殺害事件の捜査協力を要請するためブラジルに到着した大阪府警の捜査員ら＝２０日、ブラジリア