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宇宙開発競争、再び=「アルテミス計画」始動―米中、月面でも対立


 【ワシントン時事】東西冷戦期に当時のソ連と激しい宇宙開発競争を繰り広げた米国が、月に向けて再び動きだした。人類の月面再訪を目指す米航空宇宙局(NASA)の「アルテミス計画」第1弾ミッションが16日にスタート。今度の競争相手は中国となる。  ◇アポロから半世紀  「このアルテミス計画は約50年前、月に旗を立てた米国のリーダーシップの上に築かれる」。8月下旬、南部フロリダ州のケネディ宇宙センターを訪問したハリス副大統領は、NASAの「アポロ計画」に言及し、誇らしげに強調した。  ギリシャ神話の太陽神アポロンから命名されたアポロ計画に対し、月の女神の名を冠したアルテミス計画は、月面再着陸だけでなく月面や月周回軌道上に基地を建設し、人類が継続的に活動することを目指している。その先に火星の有人探査も見据えた「30年がかりの壮大な計画」(NASA幹部)だ。  アポロ計画では1969年、人類初の月面着陸という偉業を達成したが、「無駄遣い」との批判が絶えず、72年を最後に月から遠ざかった。米NPOによると、米政府が60~73年、アポロ計画に投じたのは約258億ドル。現在の貨幣価値に換算すると、約2570億ドル(約38兆円)に上る。  アルテミス計画では民間企業や日本、欧州などと協力して支出を抑制。それでもNASAの2025年までの支出は、約930億ドル(約14兆円)と見込まれている。  ◇強烈な対抗心  この巨額プロジェクトの背景には、中国の動向がある。中国は21世紀に入って月探査を本格化。習近平国家主席の「宇宙強国」の号令の下、難易度が高い月の裏側への無人探査機着陸にも、世界で初めて成功した。  21年には「国際月探査ステーション(ILRS)」計画を発表。ロシアと協力し、35年ごろまでに月面と月周回軌道への基地建設を目指す。  宇宙開発は軍事技術と密接な関係にある。冷戦期の1957年、ソ連は「スプートニク」で世界初の人工衛星打ち上げに成功。61年には宇宙飛行士ガガーリンが、人類で初めて宇宙飛行を成功させた。衝撃を受けたケネディ米大統領(当時)は翌62年、演説で「われわれは月に行くことを選ぶ」と表明した。  アポロ計画への巨費投入は、軍事面で競合するソ連への強烈な対抗意識が後押しした。同様にアルテミス計画には、バイデン米政権が「唯一の競争相手」と位置付ける中国への対抗心が反映されていると言える。  ただ、現在の米国民がアルテミス計画をどこまで支持するかは未知数だ。米調査会社モーニングコンサルトによる21年の世論調査では、「宇宙飛行士を月に送ること」の優先度を問う質問に対し、「最優先」「最優先ではないが重要」とした回答は計33%にとどまっている。 【時事通信社】 〔写真説明〕打ち上げられる米航空宇宙局(NASA)の月探査ロケット=16日、フロリダ州のケネディ宇宙センター(AFP時事)
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