居留守使い、消費税納めず＝貨物荷さばき業者を告発―東京国税局

　消費税の確定申告をせずに、約４４００万円を脱税したとして、東京国税局査察部が消費税法違反などの容疑で、貨物荷さばき業の「レイテック・ジャパン」（東京都大田区）と同社の中嶋靖浩代表（６２）を東京地検に告発したことが関係者への取材で分かった。 　関係者によると、中嶋代表は２０１２年９月期以降、確定申告を行わず、消費税を納めない状況が続いていた。管轄の大森税務署が連絡しても無視したり、居留守を使ったりして応じなかったほか、税務署の訪問を察知して急きょ事務所の求人ポスターを剥がしたこともあったという。 　同社はトラックに積み荷をしたり、フォークリフトで荷さばきしたりする人を募集し、現場に派遣していた。消費税がかからない人件費が経費の大部分を占めていたため、売り上げ分から仕入れ分の消費税を差し引くことが十分できず、負担感が大きかったとみられる。 　年間の売上高は平均約１億８０００万円。脱税で浮いた資金は会社事業に充てるなどしていた。東京国税局は２０年９月までの３年間を調査対象とし、金額を算定した。 　中嶋代表宛てに取材を申し込んだところ、代理人弁護士が「取材についてはお断りする」と返答した。　（了）【時事通信社】