ザポロジエ原発、再び外部電源喪失＝ウクライナ農産物が出港

　【パリ時事】ウクライナの原子力企業エネルゴアトムは３日、通信アプリを通じ、ロシア軍が占拠する南部ザポロジエ原発で２日に砲撃があり、外部電源を喪失したと発表した。非常用ディーゼル発電機が稼働している。 　同原発の原子炉６基は稼働を停止しているが、核燃料冷却のため、一定の電力を供給する必要がある。エネルゴアトムは「ロシア国営原子力企業ロスアトムが作業に干渉しているため、原発を安全な状態に維持する能力は大幅に制限されている」と懸念を表明。「原発を非軍事化するための措置を直ちに講じるよう、改めて国際社会に求める」と訴えた。 　ウクライナ東部ドニプロペトロウシク州でも２日から３日にかけてロシア軍による攻撃があり、エネルギーや水の供給設備が損傷。ガソリンスタンドや工場にも被害が出た。 　また、ロイター通信によると、ウクライナのインフラ省は同国産の農産物計２９万トンを積んだ船７隻が３日、黒海の港を出たと明らかにした。ロシアが２日にウクライナ産穀物輸出合意の履行再開を発表して以降、初の出港となる。　【時事通信社】 〔写真説明〕ザポロジエ原発＝９月１１日、ウクライナ南部エネルホダル（ＡＦＰ時事）