自動検出装置を小さく、安く＝新型コロナなど対応―理研

　理化学研究所などの研究グループは１日までに、新型コロナウイルスのリボ核酸（ＲＮＡ）を分子レベルで自動検出する装置を小型化し、部品の顕微鏡を市販のカメラに置き換えるなどして製作コストを大幅に引き下げたと発表した。ＰＣＲ検査並みの感度と最短３分の速さを両立させ、臨床検査機器メーカーとともに来年度中に国の薬事承認を得ることを目指している。 　理研の渡辺力也主任研究員は「町のクリニックに置いてもらえる大きさ、価格にしたい。インフルエンザなどさまざまな種類のウイルスを同時検出する設定も可能だ」と話している。　 　この装置の原型は今年５月に発表された。マイクロチップ上に多数並んだ微細なくぼみに検体を入れ、ウイルスＲＮＡがあれば酵素が結合して蛍光を発する仕組み。蛍光の検出に高性能な「共焦点顕微鏡」を使うため、非常に高価だった。 　理研は東京大や京都大、東京医科歯科大との共同研究で、共焦点顕微鏡を市販の一眼レフカメラと産業用特殊レンズの組み合わせに置き換え、装置の部品代を１２０万円程度に抑えた。さらに事務机並みだった大きさを机に載るサイズにした。（了）【時事通信社】