「天馬」前社長に懲役１年求刑＝ベトナム贈賄事件―東京地裁

　プラスチック製造「天馬」によるベトナム当局への贈賄事件で、不正競争防止法違反（外国公務員への贈賄）罪に問われた前社長藤野兼人被告（７０）ら３人と、法人としての天馬に対する公判が１８日、東京地裁（香川徹也裁判長）であった。検察側は「国際商取引の公正な競争を害した」として、藤野被告に懲役１年、天馬に罰金３０００万円を求刑して結審した。判決は１１月４日。　 　検察側は論告で「組織ぐるみで行い、目先の経済的利益を優先した」と指摘した。他に、経営企画部長だった細越勉被告（５７）と現地子会社社長だった吉田晴彦被告（５２）に、それぞれ懲役１年６月を求刑した。一方、それぞれの弁護人は最終弁論で、不正を自主申告したとして情状酌量を求めた。 　起訴状によると、藤野被告ら３人は２０１７年、追徴金を免れた謝礼として、ベトナム北部バクニン省税関局検査チーム長に２０億ドン（当時約９８０万円）を提供。細越、吉田両被告は１９年にも追徴金減額などのため同省税務局副部長に３０億ドン（同約１３８０万円）を渡したとされる。（了）【時事通信社】