starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

中傷・脅迫、去る選管職員=トランプ氏の「不正」主張が影―11月投票の米中間選挙


 11月8日の米中間選挙は、2020年の大統領選後初の全国規模の選挙だ。トランプ前大統領は、再選に失敗した大統領選が「不正だった」と吹聴し続ける。選挙制度への信頼は揺らぎ、トランプ氏の主張を信じた人々による中傷や脅迫で職を離れる選挙管理人も相次いだ。投票の実務を担う現場に、過大な負荷がのしかかっている。  ◇すり減る心  「誰にも名前を知られたくない。スーパーに買い物にも行けない。彼らのうそのせいで、私の人生はあらゆる面で変わってしまった」。南部ジョージア州フルトン郡の職員として20年大統領選の票集計作業に当たったシェイ・モスさんは6月、トランプ氏支持者による昨年1月の議会襲撃を調査する下院特別委員会で、涙ながらに証言した。  トランプ氏や側近は「バイデン大統領に有利になるよう票の操作をした」と、根拠なくモスさんを名指しで非難。言い掛かりをうのみにした人々による脅迫はやまず、モスさんのフェイスブックには「死を願う言葉」が書き込まれた。家族にも危害が及び、モスさんは仕事を辞めた。  同州バートウ郡の選挙管理責任者を務めるジョセフ・カークさん(40)も、職員への中傷は日常茶飯事だと嘆く。部下が帰宅途中、何者かに尾行され、警察を呼ぶ騒ぎになったこともある。  投票所で働く職員の安全を心配するようになったのは、トランプ政権時代の18年の中間選挙ごろからだ。「繰り返しぶつけられる敵意が、職員の心をすり減らしていく。私の部下も何人か辞めてしまった」。職員の確保は難しくなった。  米モンマス大の9月の世論調査では、バイデン氏が「不正によって勝利した」と答えた人は29%に上った。米国民の3割近くが、20年大統領選の公正性をいまだ信じていないことになる。  ◇制度への関心高まる  一方、カークさんは前向きな変化も感じている。選挙制度に対する関心が高まったことだ。  9月25日、同州ローレンスビルで行われた共和党の「投票監視」研修会に、20人余りのボランティアが集まった。「20年(の大統領選)は物議を醸した。自分が投票監視をやるなんて考えもしなかったけど、現場で何が起きているのか知りたくなったんだ」。清掃業を営むジェームズ・ダビッドソンさん(31)は初参加の理由を話す。  ジョージア州は21年の法改正で、投票・集計の過程で問題が起きていないか確認する「投票監視」を制度化した。政党や政治団体の研修を修了した監視ボランティアが投票所に配置される。  トランプ氏らは大統領選で「死亡したり転居したりしたはずの人が票を投じた」と不正を訴えた。実際にそうした例はごくまれで、選挙結果に影響を与えるものではなかったが、米国では「住民票」が存在しない上、州ごとに選挙制度が異なることも混乱の一因。同州は二重投票などを防ぐため、各州が登録有権者の転居情報を共有するシステムに加盟した。  カークさんは、選挙の信頼回復には透明性のある制度と有権者教育が不可欠だと考えている。「選挙プロセスが実際にどう機能しているかを理解すれば、人々が誤情報を信じることはなくなる。それにはもう少し時間がかかる」。 【時事通信社】 〔写真説明〕投票の仕組みを説明するバートウ郡選挙管理責任者のジョセフ・カークさん=9月26日、米ジョージア州カーターズビル 〔写真説明〕選挙不正を防止するため制度化された「投票監視」の共和党研修会=9月25日、米ジョージア州ローレンスビル
    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.