英、所得税率引き下げ案撤回＝市場混乱、与党内からも反発

　【ロンドン時事】クワーテング英財務相は３日、先月２３日に発表した大型減税策のうち、所得税の最高税率引き下げ案を撤回すると表明した。与党保守党の一部議員が反対しているため、議会での法案通過は難しいと判断したとみられる。トラス新政権が打ち出した大型減税策をめぐっては、財政悪化につながるとの懸念から通貨ポンドが急落するなど、金融市場で混乱が広がっていた。 　中部バーミンガムで２日から開かれている保守党大会で、有力議員らが所得税率の引き下げ案に反対したことが撤回の決定要因となった。年収１５万ポンド（約２４００万円）超の人が対象となる所得税率を４５％から４０％に引き下げる案は、歴史的な物価高で一般家庭の生活費が膨らむ中、不公平な措置だと批判の声が高まっていた。　【時事通信社】 〔写真説明〕３日、保守党大会の開かれた英中部バーミンガムでメディアのインタビューに応じたクワーテング財務相（ＡＦＰ時事）