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「遺棄回避、胸張れる」=ガイドラインには期待せず―蓮田慈恵病院院長・内密出産


 内密出産を行っている慈恵病院の蓮田健院長との主な一問一答は以下の通り。  ―5例の内密出産を経験した思いは。  日本では法制化されていない中、熊本市や児童相談所、慈恵病院など現場に携わる人は試行錯誤、右往左往しながらだった。そんな中で母親を保護し、子どもの遺棄を回避できたのはありがたい。  ―切迫した状況の妊婦が多いようだが。  やはり普通の出産とは達成感と安堵(あんど)感が全然違う。母子ともに安全な出産を5例達成できたことは胸を張れる。やりがいはあるが、内密出産した母子は決して幸せに満ちあふれているわけではなく、成功や感動の物語ではない。  ―どういうことか。  子どもは(将来)自分の出自を求めるだろうし、母親は後ろめたさや、周囲に言えないものを背負って生きていくだろう。母子がその後、幸せになれるかは心配だ。人生のステップの一つで、母子がつまずかないよう手伝っているのだと思う。  ―安易に引き受けていないかとの批判もある。  自ら育てるための説得は尽くしている。母親は自分で支援や制度を調べた上で(内密出産の)意思を固めている。安易に望んでいるわけではない。  ―今後について。  数が重なれば、トラブルはあるだろう。途中の新幹線の中で生まれるとか。大事なことは、多くの方が(内密出産で)子どもを産めるよう、一例一例積み重ねていくことだ。リスクがあったとしても続けていく。  ―熊本市は「妊娠葛藤相談所」の設置を提案している。  現在は匿名では福祉支援が受けられず、現実的ではない。妊婦が求めているのは、匿名で子どもを産んで託すこと。支援を提示して「頑張って育てよう」というスタンスでは(妊婦の)希望を裏切りかねない。  ―政府が進めるガイドラインについて。  策定されなくても、安全な出産は何とか達成できている。法整備がされないままでは、どこまでガイドラインに効力があるのか疑問がある。切迫した現場の実情を考えてくれればいいが、あまり期待せずに待つ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕取材に応じる慈恵病院の蓮田健院長=8月16日、熊本市
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