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「子ども食堂」開始10年=全国6000カ所に拡大―地域交流の拠点にも


 子どもに無料か低価格で食事を提供する「子ども食堂」が最初に開設されてから今年で10年となった。取り組みは各地で広がり、2021年には6000カ所を超えた。運営者からは「(貧困が減らず)10年もやらなければならなかったことが問題」と複雑な思いも聞かれる一方、地域交流の拠点としてさらなる役割の拡大を期待する声もある。  最初に「こども食堂」の名を冠した食堂は12年8月、東京都大田区で始まった。店主の近藤博子さん(63)が「近所の小学校に(給食以外)夕食と朝食がバナナ1本しかない子がいる」という話を聞いたのがきっかけだ。17年からは「だんだんワンコインこども食堂」の名称で運営されている。  当初は毎週木曜に大人500円、子ども300円の会食形式だったが、新型コロナウイルス禍の影響で、20年3月以降は弁当を配布する形式に変わった。「ワンコイン」になってからは子どもは上限100円とし、ゲームセンターのメダルなどでも可。無料としないのは「ちゃんと払って食べたということが自己肯定感につながる」との考えからだ。  近藤さんは「人っていいな、と思える場所になっている」とこの10年を振り返る。しかし、厚生労働省によると、平均的な所得の半分を下回る家庭で生活する18歳未満の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」は、18年時点で13.5%。約7人に1人の割合で、ひとり親家庭では5割に迫るなど、問題の根本である貧困の解消は進んでいない。「行政が就労や教育にもっとお金を掛けてほしい」と近藤さんは訴える。  認定NPO法人「全国こども食堂支援センターむすびえ」理事長で東京大特任教授の湯浅誠さん(53)は、この10年間で子ども食堂が地域の交流に果たしてきた役割を高く評価し、「地域の交流と貧困問題は実は背中合わせ。貧困とはつながりがないことでもある」と指摘する。むすびえは25年までに全小学校区に少なくとも一つ以上の子ども食堂がある社会を目標としている。  湯浅さんは「地域づくりに貢献できる場所になり得る。民間ならではの多様性と自由度を大事にしてほしい」と期待を寄せた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕「だんだんワンコインこども食堂」に向かう子ども=15日、東京都大田区 〔写真説明〕「だんだんワンコインこども食堂」で弁当を準備するボランティア=15日、東京都大田区 〔写真説明〕弁当を渡す「だんだんワンコインこども食堂」の近藤博子さん=15日、東京都大田区
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