住民投票は「主権侵害」＝ウクライナ占領地のロシア編入認めず―米高官

　【ワシントン時事】サリバン米大統領補佐官（国家安全保障担当）は２０日、ホワイトハウスで記者会見し、親ロシア派がウクライナの占領地域でロシア編入の是非を問う「住民投票」実施を表明したことに対し、「ウクライナの主権を侵害するものだ」と非難した。投票結果に基づき占領地域の編入をロシアが主張しても、認めない考えを強調した。 　サリバン氏は、反転攻勢で占領地域の奪還を進めるウクライナに対抗するため、ロシアが「偽りの住民投票」を早期に強行しようとしていると糾弾。投票が「国連憲章の中心として国際システムを支える主権と領土の一体性の原則と、懸け離れている」と述べ、正当性を否定した。 　その上で「ロシアは、いずれかの時点で行う（占領地域の）併合に向け、投票を根拠とするつもりだ」と主張。「米国はロシアの行動をはっきりと拒否し、同盟・友好国と共に代償を負わせ、ウクライナを支援していく」と強調した。 　さらに、ロシアのプーチン大統領が兵員補充に向け、動員を準備していることが伝えられていると指摘。「自信に満ちた国家の行動ではない」と批判し、ロシアが兵員を補充してもウクライナの攻勢を弱めることはないとの見通しを示した。　【時事通信社】