常連客の男「死刑にして」＝パブ経営者殺害で初公判―大阪地裁

　大阪市北区のカラオケパブで昨年６月、経営者の稲田真優子さん＝当時（２５）＝を殺害したとして、殺人罪に問われた無職宮本浩志被告（５７）の裁判員裁判の初公判が１６日、大阪地裁（大寄淳裁判長）であった。宮本被告は「死刑を求刑してほしい」と発言した一方、起訴内容に対する認否は黙秘した。弁護側は「犯人性を争う」と述べた。判決は１０月２０日の予定。 　検察側は冒頭陳述で、宮本被告は店の常連客だったとした上で、「一方的に好意を抱き、満たされない思いから稲田さんを殺害した」と指摘。防犯カメラから記録媒体を回収するなど、証拠隠滅を図っていたと明らかにした。弁護側は「証拠に基づいて考えてほしい」と慎重な審理を求めた。 　起訴状によると、宮本被告は昨年６月１１日夜、カラオケパブ「ごまちゃん」の店内で、稲田さんの首や胸などを刃物で多数回突き刺すなどして殺害したとされる。 　稲田さんの兄雄介さん（３０）は１６日、取材に応じ、「妹は家庭を明るくしてくれる存在だった。被告は反省してほしい」と話した。　（了）【時事通信社】