ブラジル人夫、身柄拘束に時間も＝堺市母子殺害事件

　【サンパウロ時事】堺市東区のマンションで住人の荒牧愛美さん（２９）と長女のリリィちゃん（３）が殺害された事件で、直後にブラジルに帰国した荒牧さんの夫バルボサ・アンデルソン・ロブソン容疑者（３３）＝殺人容疑で国際手配＝の現地弁護士は１２日、ブラジル当局が手配を受理しても、実際の拘束には時間がかかる可能性を指摘した。大阪府警が国際刑事警察機構（ＩＣＰＯ）を通じて７日付で行った手配は、９日時点でブラジルに届いたことが確認できていないという。 　弁護士は声明で「（ブラジルの）法務省や外務省にも何度か問い合わせたが、日本から要請があったという知らせはなかった」と説明した。その上で「国家主権は国際刑事制度に優越しており、（ＩＣＰＯの手配）リストは国内法手続きを経なければ有効と見なされない。この観点からバルボサ氏は完全に自由のままだ」と強調。ブラジル側が手配を受理しても煩雑な手続きが待っており、身柄拘束には時間がかかることを示唆した。　【時事通信社】