ザポロジエ原発周辺に安全区域を＝核燃料貯蔵の建物損傷確認―ＩＡＥＡが調査報告・ウクライナ

　【ベルリン時事】ロシア軍が占拠しているウクライナ南東部ザポロジエ原発をめぐり、国際原子力機関（ＩＡＥＡ）は６日、同原発で行った調査結果をまとめた報告書を公表した。ＩＡＥＡは、原発への砲撃を止めるため、原発周辺に安全区域を設定することを提案。また、核燃料などを貯蔵する建物の損傷を確認したと指摘した。 　報告書は「現在の状況を維持することは難しい」とし、軍事活動に伴う損傷で原子力事故を起こさないよう早急な対策を講じる緊急の必要性があると訴えた。ロシア軍の人員や車両、装備も原発内のさまざまな場所で確認されたという。 　ＩＡＥＡのグロッシ事務局長は、ＩＡＥＡの専門家を伴い８月末にウクライナ入り。９月１日から、物理的な損傷の程度に加え、原子炉の安全性や職員の労働環境を調べた。専門家は２人を残し、５日に退去している。　【時事通信社】 〔写真説明〕国際原子力機関（ＩＡＥＡ）のグロッシ事務局長＝２日、ウィーン（ＥＰＡ時事）