日本人の潜航記録、６０年ぶり更新＝小笠原海溝９８０１メートル到達―名古屋大など

　有人潜水船で小笠原海溝の最深部９８０１メートルの海底に到達し、日本人の最深潜航記録を６０年ぶりに更新したと、名古屋大大学院の道林克禎教授らの研究グループが２９日、発表した。 　研究グループは名古屋大、東京海洋大などで構成。５日から民間調査会社の有人潜水船を使い、日本周辺の海溝の地質や地形などを調査していた。 　潜水船に乗った道林教授らは１３日、小笠原海溝の水深９８０１メートルの海底に到達することに成功し、地形や地質、生物などを観察した。小笠原海溝の最深部の水深はこれまで９７８０メートルとされていたが、今回の調査でさらに深いことが判明した。 　これまでの日本人の最深潜航記録は、１９６２年の千島・カムチャツカ海溝の水深９５４５メートルだった。　（了）【時事通信社】