再審請求の男性「無罪獲得を」＝愛知男児殺害で出所―大分

　愛知県豊川市で２００２年７月、１歳男児を車から連れ去り殺害したとして、殺人などの罪で懲役１７年の有罪判決が確定し、刑期を終えて出所した田辺（旧姓河瀬）雅樹さん（５５）＝再審請求中＝が２０日、大分市内で記者会見し、「全く事件に関わっていない。再審無罪を獲得したい」と改めて訴えた。 　１７年の刑期を「非常に長かった。いつ無罪になるのかということばかり考えていた」と振り返り、「一日も早く社会に慣れ、通常の生活をしたい」と語った。弁護団長の後藤昌弘弁護士は再審について「できる限りのことはしたい」と述べた。　 　田辺さんは０３年に逮捕され、捜査段階でいったん自供したものの公判で全面否認に転じ、自白調書の信用性が争点となった。一審名古屋地裁は無罪としたが、二審名古屋高裁が逆転有罪を言い渡し、０８年に最高裁で確定した。 　日弁連の支援を受け、１６年に再審請求。名古屋高裁で棄却され、同高裁で異議審が続いている。１９日午前に大分刑務所を出所した。 　確定判決によると０２年７月２８日未明、豊川市のゲームセンター駐車場で、１人で車の中にいた男児を連れ去り、約４キロ離れた岸壁から海に投げ入れ、殺害した。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕愛知県豊川市の男児殺害事件で服役し、出所後に記者会見する再審請求中の田辺（旧姓河瀬）雅樹さん＝２０日午前、大分市