核禁条約への姿勢に「落胆」＝被爆者団体、岸田首相と面会―広島

　広島の被爆者団体の代表らは６日、広島市内のホテルで岸田文雄首相と面会した。広島県原爆被害者団体協議会（県被団協）の箕牧智之理事長は、日本政府が核兵器禁止条約に署名、批准せず、同条約の第１回締約国会議にオブザーバー参加もしなかったことを挙げ、「私たち被爆者は落胆している」と述べた。 　首相は「核兵器禁止条約は核兵器のない世界に向けての出口に当たる重要な条約」と指摘。ただ、安全保障をめぐる厳しい現実は「核兵器国の対応を変えさせないと変わらない」と話した。　 　核拡散防止条約（ＮＰＴ）再検討会議の演説で提唱した「ヒロシマ・アクション・プラン」などに言及し、「こうした取り組みを具体的に進めていくことによって、核兵器のない世界に向けて、現実を動かしていきたい」と理解を求めた。 　同席した小田原潔外務副大臣は要望として出されていた非核三原則の法制化について、政府は同原則を「堅持しており、これを見直す考えはない」と述べた。（了）【時事通信社】