starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

南方留学生の被爆伝える=外国語で発信「自分の役割」―マレーシア人アザムさん・広島


 広島の原爆では日本人だけでなく、日本が太平洋戦争中、東南アジアの占領地域から招いた「南方特別留学生」も被爆し、死者も出た。「もっと多くの人に知ってほしい」。マレーシア人で広島市立大准教授のヌルハイザル・アザムさん(49)は、南方留学生が被爆した史実を伝えることを「自分の役割」と受け止め、マレー語や英語で情報を発信している。  原爆投下時、広島文理科大(現広島大)には南方留学生9人が在学。8人が被爆し、うち現在のマレーシア出身の2人が命を落とした。  このうちニック・ユソフさん=当時(19)=の遺骨は戦後、広島市佐伯区の光禅寺に持ち込まれ、ムスリムのユソフさんのために当時の住職がイスラム教式の墓を建てた。毎年8月6日には広島大の関係者らが墓を訪れ、慰霊している。  アザムさんはマレーシアで日本語を学び、富山大や広島市立大に留学。2017年に同市立大の准教授に就任後、被爆死したユソフさんのことなどを知った。母国から日本に学びに来た「大先輩」の悲劇に「ショックを受けた」。同時に、親族でもないのに長年供養をしたり、被爆した南方留学生を伝承したりしている日本人に接し、「頭が上がらない。自分も何かしなければ」と心を動かされた。  これまでにインターネット交流サイト(SNS)や動画投稿サイト「ユーチューブ」で、ユソフさんの墓をはじめ関連情報をマレー語や英語で紹介。マレーシアの大学とオンラインで結び、現地の学生にも説明した。ユソフさんの遺族とはSNSでつながり、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)への遺影登録をサポートした。  SNSや動画の投稿に、海外から「知らなかった」「(日本での弔いに)感動した」といった感想が多く寄せられたという。「見知らぬ日本人がどうしてここまでしてくれたのか。原点は平和教育だと思う」とアザムさん。被爆した南方留学生の情報発信が母国の平和教育にも寄与することを願い、「これからも続けていく」と話している。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ヌルハイザル・アザムさん=7月28日、広島市安佐南区 〔写真説明〕被爆死したニック・ユソフさんの墓=7月28日、広島市佐伯区の光禅寺
    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.