「カワイイ」空間で平和考えて＝増田セバスチャンさんアート展―ＮＹ

　【ニューヨーク時事】世界に日本の「カワイイ」文化を発信するアーティスト、増田セバスチャンさん（５１）のチャリティーアート展が２９日、ニューヨークで始まった。独特のカラフルな空間にはベッドも置かれ、当たり前の日常生活の大切さを感じる工夫が凝らされている。 　増田さんは１月にニューヨークに移住。２月に一時帰国した際、腸炎を患ったが、既に自宅はなく「当たり前に休める場所の必要性」を痛感した。ロシアによるウクライナ侵攻で帰る場所を失った人々に思いをはせ、米国移住後初となるアート展で平和を推進することを決意したという。 　腸炎で苦しんだ時にベッドのシーツを破り、ピースの文字を書いた経験を基にシーツを用いたアートを展示。来場者に平和を考えてもらうため、特製のベッドも用意した。作品販売で得た利益の一部はウクライナ関連の団体に寄付される。 　増田さんは、渡米直後に起きた２月のロシアによるウクライナ侵攻開始を、これまで半年間の米国暮らしで「最大の出来事」と強調。「アートでメッセージを送ることはアーティストの使命」と力を込めた。アート展は３１日まで。　【時事通信社】 〔写真説明〕２９日、ニューヨークで行われたアート展で、ベッドに座る増田セバスチャンさん