被爆２世訴訟、来年２月７日判決＝国に慰謝料請求―広島地裁

　広島の被爆者を親に持つ「被爆２世」の男女２８人が、放射線被害が遺伝する可能性があるのに被爆者援護法の対象外なのは不当として、国に１人１０万円の慰謝料を求めた訴訟は２７日、広島地裁（森実将人裁判長）で原告側の最終弁論が行われ、結審した。判決は来年２月７日。
　この日は原告の意見陳述も行われた。山口市の寺中正樹さん（６０）は「風邪をひきやすかったり、いろいろな病気にかかったりするのは父の被爆の影響ではと思っている。被爆者が生きている間に被爆２世の法的援護、立法的措置につながるような判断をお願いしたい」と訴えた。　
　原告側は２０１７年に提訴し、被爆２世を援護法の対象としない国会の立法不作為は違法と主張。国側は、被爆による遺伝的影響は科学的に立証されていないとして、請求棄却を求めている。（了）
【時事通信社】
〔写真説明〕被爆２世への被爆者援護法の適用をめぐる訴訟で、広島地裁に向かう原告ら＝２７日午後、広島市中区