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独、ガス不足で混乱懸念=ロシアが供給大幅削減


 【ベルリン時事】ロシア国営天然ガス独占企業ガスプロムは25日、パイプライン「ノルドストリーム」経由のドイツへのガス供給量を、最大供給能力の2割に削減すると発表した。こうした中、ドイツで冬場にガス不足に陥り、社会の混乱につながりかねないとの懸念が高まっている。国民に団結を求める政治家からは、危機の克服に向けて愛国心の重要性を説く声も上がっている。
 「ガスの緊急事態となれば、(社会の)遠心力はコロナ禍より大きくなるだろう」。南部バーデン・ビュルテンベルク州のクレッチュマン首相は25日、ガス不足対策の会議でこう強調した。「われわれの愛国心が問われている」とも述べ、市民に対して互いに争わず、省エネに努めることを求めた。
 ドイツは、ガス不足が懸念される際に出す警報の第2段階を発令済み。最高の第3段階に引き上げられれば、連邦政府がガス供給に介入し、優先順位をつけて供給先を決めることが可能になる。原則的には一般住宅や病院などが優先されるが、詳細は未定で、実行方法によっては不公平感が拡大する恐れもある。クレッチュマン氏は政府に対し「ルールを明確化すべきだ」と訴えた。
 消費者向けのガス料金値上げも社会不安定化の要因となりそうだ。ガスインフラを担当する連邦ネットワーク庁のミュラー長官は、来年にガス代が3倍になることは「非常に現実的だ」との見方を示している。不動産大手LEGのフォンラックム社長は25日、独誌マネジャー・マガツィーンで、2割の賃借人が自力で支払えなくなる恐れがあると警告した。 【時事通信社】
〔写真説明〕パイプライン「ノルドストリーム」=2011年11月、ドイツ北東部ルプミン(AFP時事)
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