山上容疑者を鑑定留置へ＝１１月下旬まで、責任能力見極め―安倍元首相銃撃・奈良地検

　安倍晋三元首相が奈良市で銃撃され死亡した事件で、奈良地検が殺人容疑で送検された無職山上徹也容疑者（４１）の事件当時の精神状態を調べるため、鑑定留置を奈良地裁に請求し、認められたことが２３日、捜査関係者への取材で分かった。期間は１１月下旬まで。 　期間中は、勾留の執行がいったん停止され、取り調べも中断される。地検は鑑定結果を踏まえて刑事責任能力の有無を見極め、起訴するかどうかを決める。　 　送検容疑は８日午前１１時半ごろ、近鉄大和西大寺駅前で演説中だった安倍氏を銃で撃ち、殺害した疑い。 　山上容疑者は奈良県警の調べに対し、母親が入信する世界平和統一家庭連合（旧統一教会）に対して長年恨みがあったと説明した上で、「安倍元首相が（旧統一教会と）つながりがあると思い狙った」と供述している。 　山上容疑者はインターネットなどを参考に、銃や火薬を自ら製作。複数の銃を作り、奈良県内の山中で試射もしていた。現場で押収された手製銃のほかに、同容疑者宅から少なくとも５丁が押収されている。（了）【時事通信社】