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ロシアの「脅し」に非常手段=ガス15%節減で対抗―EU


 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会が加盟国に対し、天然ガス消費量の15%を節減するよう促す方針を打ち出した。ロシアがEU向けのガス供給量を絞って「脅し」を強めているためだ。暖房需要がピークを迎える冬場にガス不足に陥り、経済的に大きな打撃を被る事態を避けるため、EUは非常手段に踏み切る。
 「先を見越し、ロシア産ガスの完全な途絶に備えなければならない」。フォンデアライエン欧州委員長は20日の記者会見で、加盟国が結束し、ロシアの圧力に早急に対処する必要性を強調した。
 EUは昨年まで天然ガス消費の4割をロシア産に依存してきた。しかし、ロシアはウクライナ侵攻を非難するEUの制裁に対抗し、12加盟国への供給を停止・削減。昨年の同時期と比べ、EUへの供給量は3分の1以下に落ち込んでいる。
 EUはロシアへの依存脱却を急ぎ、米国や湾岸諸国、アゼルバイジャンなどからの調達拡大を図ってきた。ただ、現在の域内在庫量は貯蔵能力の約65%と、11月までに達成を目指す80%の目標を大きく下回っている。国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は、ロシア産の供給が全面停止すれば、EUは「10月までに90%超の在庫が必要になる」と警告する。
 欧州委の提案は、在庫確保のため加盟国が8月から来年3月まで任意で消費量を15%節減するというもの。ガス不足が深刻になった場合は欧州委が削減を義務化できる内容だ。
 しかし、一部の加盟国は、経済の制約につながる消費削減を強要されることに難色を示す。欧州委は、厳冬が重なればEUのGDP(域内総生産)が最大1.5%下押しされると試算。「早期の行動は経済への影響を軽減し、人々や企業を守る」(シムソン欧州委員)と理解を求めるが、26日に予定する加盟国の理事会ですんなりと承認されるかは不透明だ。
 代替燃料の確保も懸案。欧州委は再生可能エネルギーを優先するが、石炭や石油、原発の利用も「一時的措置」として容認する姿勢で、EUの脱炭素化政策への影響は不可避となりつつある。 【時事通信社】
〔写真説明〕記者会見する欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長=20日、ブリュッセル(AFP時事)
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