通帳改ざん、ＬＩＮＥで連絡＝前会長ら入念に工作か―幼稚園連合の横領事件・警視庁

　全日本私立幼稚園連合会をめぐる横領事件で、逮捕された同連合会の前会長香川敬（７０）、前事務局長勝倉教雄（４９）両容疑者が２０２０年９月末ごろから、無料通信アプリ「ＬＩＮＥ」で預金通帳の改ざんについてやりとりをしていたことが１４日、連合会関係者などへの取材で分かった。 　２人は当時、連合会の監査会で預金通帳の原本提出などを求められていた。警視庁捜査２課は、着服の発覚を防ごうとしたとみて調べる。 　同課によると、２人は２０年１０～１１月ごろ、連合会名義などの預金通帳４通と残高証明書３通について、ページを差し替えたり、架空の数字を印字したりして改ざん。実際の残高より約２億２０００万円多く預金があるように装った。改ざんには、香川容疑者の知人男性が関わったとみられる。 　連合会関係者などによると、勝倉容疑者から提出を受けた携帯電話を解析したところ、２人は改ざんに当たり、２０年９月末から２カ月間、ＬＩＮＥのメッセージでやりとりをしていた。 　その中で香川容疑者は「印字されていない通帳を一通入手して」「印字の変更は難しいので古い通帳に新しいページを挿入する方がまだマシ」などとやり方を具体的に指示。「２人で切り抜けましょう」と不正への協力を呼び掛けたとみられる文言もあった。勝倉容疑者は「会長のお力になりたいです」などと返信した。 　香川容疑者らは、連合会の資金計約７００万円を着服し、通帳残高を改ざんしたとして、業務上横領容疑などで逮捕された。連合会と関連団体の資金約６億８０００万円が不正に引き出されており、捜査２課が調べている。　（了）【時事通信社】