デジタル通貨、設計協調を＝国境越える決済対応必要―国際機関

　【ワシントン時事】国際決済銀行（ＢＩＳ）、国際通貨基金（ＩＭＦ）、世界銀行は１１日公表した報告書で、中央銀行が発行するデジタル通貨に関し、各国が設計初期にある今の段階で、国際的に協力することが重要だと強調した。本格普及を見据え、国境を越える決済ができる仕組みなどを取り入れる必要性を訴えた。 　中銀デジタル通貨をめぐっては、中国が今年２月の北京冬季五輪の開催に合わせ、主要国に先駆けてデジタル人民元の大規模な実証実験を実施。日銀や欧州中央銀行（ＥＣＢ）は発行も視野に入れ、実証実験や本格調査に取り組んでいる。 　報告書は、各中銀によるデジタル通貨の設計は現時点で決まっていないことが多いと指摘。それぞれが「白紙の状態」で設計を進めており、利用しやすいデジタル通貨の実現に向け、この段階で連携するよう促した。 　その上で、各中銀がそれぞれの国内や域内での流通を考慮してデジタル通貨を設計した結果、国境を越える決済に支障が出る事態を懸念。利便性を踏まえて「国際的な決済を支える基準作りが必要だ」と強調した。　【時事通信社】 〔写真説明〕スマートフォンに表示されたデジタル人民元ウォレット（財布）アプリと人民元紙幣＝１月、中国・北京（ＥＰＡ時事）