参院選無効求め提訴＝「１票の格差」で弁護士グループ【２２参院選】

　１０日投開票の参院選は「１票の格差」が是正されておらず、投票価値が不平等で憲法に違反するとして、升永英俊弁護士らのグループが１１日、各地の都道府県選挙管理委員会を相手取り、全４５選挙区の選挙無効を求める訴訟を全国１４の高裁・支部に起こした。山口邦明弁護士らのグループも同日、広島高裁に提訴した。 　総務省が発表した投開票日の有権者数によると、候補者１人当たりで最も少なかった福井選挙区が６３万５１２７人だったのに対し、最多の宮城選挙区は１９２万１４８６人だった。１票の格差は３．０３倍となり、最大格差は３．００倍だった前回２０１９年参院選からわずかに拡大した。 　今回の参院選について、原告側は訴状で「憲法に基づく人口比例選挙の要求に反している」と主張している。東京高裁への提訴後に記者会見した升永弁護士は「１票の不均衡が是正されていない選挙で選ばれた議員は国会活動の正当性がない」と強調した。 　前回参院選について、最高裁大法廷は２０年、「鳥取と島根」「徳島と高知」の合区維持により格差が是正された点に言及。「立法府の検討過程で是正を指向する姿勢が失われたと断ずることはできない」と指摘し、「合憲」と判断していた。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕参院選の選挙無効を求め、東京高裁に提訴に向かう弁護士らのグループ＝１１日午後、東京都千代田区 〔写真説明〕参院選無効を訴え、広島高裁に向かう弁護士ら＝１１日午後、広島市中区