「民主主義の危機」強調＝有権者ら次々と投票に―安倍元首相銃撃・奈良市【２２参院選】

　自民党の安倍晋三元首相（６７）が参院選の応援演説中に銃撃された現場近くにある奈良市内の投票所には１０日、次々と市民が訪れた。有権者らは「民主主義の危機」「やはり選挙に行かないと」などと強調した。 　事件現場の近鉄大和西大寺駅前から約２５０メートル北にある公民館で投票を済ませた男性会社員（５９）は「選挙活動を妨害する形で事件が起き、民主主義の危機を感じた」と振り返った。「奈良には皇族もよく訪れる。要人の警護体制を強化してほしい」と要望した。 　多忙を理由に投票を棄権したこともあったというパート従業員の女性（５４）。「今回は必ず行かないといけないと思った」と真剣なまなざしで語った。 　「やはり選挙に行かないと」。現場から北西約１キロの小学校に開設された投票所に来た男子大学生（２０）は強く訴えた。安倍氏が撃たれた瞬間を友人が目撃したと明かし、「友人は寝込んで泣いている。友人の分も行かなければと感じた」と話した。 　投票を終えた無職女性（８１）は「ショックだった。駅で献花しようと思っている」と言い残し、投票所を後にした。　（了）【時事通信社】