伊藤さん性被害、判決確定＝元ＴＢＳ記者への名誉毀損も―最高裁

　ジャーナリスト伊藤詩織さんが、元ＴＢＳ記者山口敬之氏から性被害を受けたとして損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第１小法廷（山口厚裁判長）は７日付で、山口氏の上告を退ける決定をした。性被害を認め、同氏に約３３２万円の支払いを命じた二審東京高裁判決が確定した。 　一方、伊藤さんの著書やメディアへの発言で名誉を傷つけられたとして山口氏が賠償を求めた訴訟についても、同日付決定で双方の上告を退けた。伊藤さんに５５万円の賠償を命じた同判決が確定した。　 　性被害の有無が争われた訴訟は一審東京地裁と二審がいずれも、「合意があった」とする山口氏の主張を退けて性被害を認定し、賠償を命じた。 　名誉毀損（きそん）訴訟の一審は山口氏の請求を棄却したが、二審は飲食時にドラッグが使われたことを示唆する内容について「真実と信じる相当の理由はない」とした。 　判決によると、山口氏は２０１５年４月、東京都内で２人で飲酒した後、酩酊（めいてい）状態の伊藤さんをホテルに連れ込み、同意がないまま性行為をした。 　山口氏は準強姦（ごうかん）容疑で書類送検されたが、１６年に嫌疑不十分で不起訴となった。（了）【時事通信社】