「着衣血痕」、専門家尋問へ＝検察側実験１１月視察―袴田事件

　「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌さん（８６）＝釈放＝の第２次再審請求差し戻し審で２７日、検察側、弁護側を交えた３者協議が東京高裁（大善文男裁判長）で行われた。犯行時の着衣とされた衣類の血痕をめぐり、専門家への証人尋問を７月２２日と８月１日、同５日に行い、１１月には検察側実験を視察することが決まった。弁護団が明らかにした。 　争点は、事件の約１年２カ月後に現場近くのみそタンクから見つかった、重要証拠とされる「５点の衣類」。血痕に「赤み」が残っているが、弁護側はみそに漬けて数週間で黒褐色に変化したとの実験結果から証拠の捏造（ねつぞう）だと主張している。一方、検察側もみそ漬け実験を行い、赤みが残ると反論している。　 　証人尋問は弁護側、検察側双方の鑑定に携わった法医学者ら計５人に行う。非公開だが、袴田さんの姉秀子さん（８９）の傍聴は認められた。 　検察側実験は昨年９月から静岡地検で行われており、約１年２カ月経過する１１月上旬に裁判長らが現地視察する。 　秀子さんは３者協議後のオンライン記者会見で、「再審開始に大いに期待している」と話した。（了）【時事通信社】