元判事１０人が抗議声明＝地裁決定「新旧証拠を吟味せず」―大崎事件

　大崎事件の再審開始を認めなかった鹿児島地裁決定を受け、元東京高裁判事の木谷明弁護士（８４）らが２２日、東京都内で記者会見し、「新証拠に限界があると指摘するばかりで旧証拠との総合評価を全くしていない。総合判断すれば違った結論に至ったはずだ」とする元裁判官有志１０人の抗議声明を公表した。 　声明では、３次請求審で地、高裁が認めた再審開始決定を最高裁が覆したことを「異例かつ衝撃的な展開」と言及。今回の地裁決定は「最高裁決定に無批判に追従したと考えざるを得ない」とし、「確定裁判の権威を守るため無理やり棄却することは絶対に許されない」と非難した。　 　木谷弁護士は会見で、再審の証拠判断についても「疑わしきは被告人の利益に」と示した最高裁白鳥・財田川決定が「ないがしろにされている」と表明。袴田事件で静岡地裁裁判長として袴田巌さん（８６）の再審開始を決定した村山浩昭弁護士（６５）は、「（裁判官の心証が）最終的に無罪だとならないと、再審開始しない発想がある」と問題点を指摘した。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕大崎事件の再審開始を認めなかった鹿児島地裁決定に記者会見で抗議する元東京高裁判事の木谷明弁護士（中央）ら＝２２日、東京都千代田区