休業ホステルで有機栽培＝コロナ禍の収入確保に一役―タイ

　【プーケット（タイ）時事】新型コロナウイルスの感染拡大で休業に追い込まれたタイ南部のリゾート地プーケットのホステルで、空いたままの客室を利用して有機野菜の栽培が行われている。オンラインショップを立ち上げて売り出したところ、話題性もあって注文が相次ぎ、収入確保に一役買っている。 　旧市街のホステル「ビーハイブ」は、ドミトリーを中心にベッド６５床を備えていた。ハイシーズンには常時満床になるほどだったが、２０２０年末から休業している。 　経営するマノシットさん（４２）は休業で空いた時間に家庭菜園で野菜の栽培を開始。ホステルは外国人観光客の入国規制緩和後も法的な問題があって再開できないため、６０万バーツ（約２３０万円）を投資し、客室で本格的に有機栽培に着手した。 　手掛けるのはレタスやケールなど３種類。「気温の設定や光の当て方、肥料の量が難しく、５回は失敗した」と苦笑するが、今では売り上げが月２万バーツほどに上る。マノシットさんは「ノウハウを他の人と共有し、コロナ禍を生き残るのを助けたい。成すべきことを見つければ、必ず生き残れる」と力を込めた。　【時事通信社】 〔写真説明〕ホステルの空き室で育てられている有機栽培野菜＝１０日、タイ南部プーケット 〔写真説明〕ホステルで野菜の有機栽培を行うマノシットさん＝１０日、タイ南部プーケット