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「おひとりさま」ブラックホールか=候補天体を発見―阪大など国際チーム


 大阪大や米航空宇宙局(NASA)などの国際共同研究チームは10日、地球が属する銀河系(天の川銀河)の中に、太陽の数倍程度の質量を持ち、単独で存在するブラックホールの候補となる天体を見つけたと発表した。周囲に星などが無い「おひとりさま」のため観測が難しかったという。  ブラックホールは強い重力で光すら抜け出せず直接観測ができない。銀河中心の超巨大ブラックホールや星を伴うタイプは、吸い込まれる物質が発するX線を検出することで存在を確認できた。  大阪大の住貴宏教授らは、ブラックホールのような大質量の天体が周囲の空間をゆがめ、遠方の恒星の光を増す「重力マイクロレンズ」現象に着目。増光が100日以上続いた恒星を選び、ハッブル宇宙望遠鏡で10年にわたり精密観測した。  その結果、天の川銀河の中心方向で増光していた恒星の見掛け上の位置が、大質量天体がないと仮定した場合に比べ360万分の1度ずれていることが判明。この恒星と地球との間に、見えない大質量天体があることが分かった。  この天体の質量を計算したところ、共同研究に参加したあるチームは太陽の7.1倍と推定。別のチームは1.6~4.4倍とし、中性子星の可能性もあると指摘した。  住教授は「単独のタイプを見つけられるようになると、ブラックホールの全体像が分かってくる」と話した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕伴星などがなく、単独で存在するブラックホールの想像図(NASA、ESA、STScI提供)
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