協力男性、通信アプリで解答募集＝大学院生、複数人に依頼か―一橋大入試流出・警視庁

　一橋大（東京都国立市）で１月、外国人留学生向けの入学試験中に数学の問題が流出した事件で、大学院生李歳寒容疑者（２８）から問題の画像を受け取った知人の男子大学生が、通信アプリで不特定多数に解答への協力を依頼していたことが９日、警視庁国際犯罪対策課への取材で分かった。 　李容疑者は大学生に対し「宿題の手伝い」との趣旨の説明をしていたといい、同課は他にも協力を呼び掛けていた可能性があるとみて調べる。 　同課によると、試験問題の画像７枚を送ったとされる受験生王嘉※（※王ヘンに路）容疑者（２２）は試験前、かつて家庭教師だった李容疑者に対し、「（不正を）手伝ってくれないか」と依頼した。 　李容疑者は大学生に対し、「宿題の手伝い」と称し解答への協力を要請。これを信じた大学生は、試験の約２時間前までに中国の通信アプリ「微信（ウィーチャット）」で不特定多数に向け、「午後４時～４時半、高校の文系数学の宿題を手伝ってほしい」と投稿した。協力を申し出た人に、李容疑者から受け取った問題の画像を転送していたとみられる。 　数学の試験は１月３１日午後４時から４０分間実施された。投稿を見た別の受験生が、試験時間が重なることを不審に思い一橋大に通報。同大は会場内の巡回を増やすなどしたが、流出に気付かなかった。試験は６７人が受験し王容疑者を含む２９人が合格した。 　王容疑者の自宅からは約１センチの小型ワイヤレスイヤホンやスマートフォンも押収されており、国際犯罪対策課は不正に使われた疑いがあるとみて調べる。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕警視庁が王嘉※（※タマヘンに路）容疑者の自宅から押収したワイヤレスイヤホン（同庁提供） 〔写真説明〕一橋大で１月、外国人留学生向けの入学試験中に数学の問題が流出した事件で、警視庁が押収したスマートフォンなど（同庁提供）