「一つの夢、無事に終えた」＝堀江さん、喜びあらわに―最高齢の太平洋単独横断・兵庫

　ヨットによる世界最高齢での単独無寄港太平洋横断を達成した海洋冒険家の堀江謙一さん（８３）＝兵庫県芦屋市＝が５日、約８５００キロにわたる航海を終え、同県西宮市のヨットハーバーで記者会見に臨んだ。「最高齢での単独太平洋横断は一つの夢だった。挑戦させていただいて、無事に終えられたことは大きな喜びです」と語った。 　会見に先立ち、歓迎のため集まった数百人が見守る中、帰港を祝う式典が開かれた。「皆さんどうもお待たせしました」。航海に用いた「サントリーマーメイドIII号」から降りた堀江さんのひょうひょうとした第一声に会場は笑顔に包まれた。航海の途中で使った薬は「目薬とばんそうこうだけ」と明かし、自身の健康をアピール。「僕自身は青春真っただ中なんです」と話した。　 　記者会見では、新型コロナウイルスの感染が続く中、出港前のＰＣＲ検査など準備に苦労したと説明した。「いつ（航海の）ストップがかかるか分からない。薄氷を踏むような思いで一つ一つ来た」と話した。 　２３歳だった１９６２年、堀江さんは世界で初めてヨットによる単独無寄港での太平洋横断を成し遂げた。成功６０年となる今回は、同じコースを逆向きにたどる航海に挑戦。３月２６日（現地時間）にゴールデンゲートブリッジ（米サンフランシスコ）を出発。和歌山県・日ノ御埼沖の紀伊水道までを６９日間で航海した。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕ヨットで世界最高齢となる単独無寄港の太平洋横断を達成し、新西宮ヨットハーバーに帰港した堀江謙一さん＝５日午後、兵庫県西宮市 〔写真説明〕ヨットで世界最高齢となる単独無寄港の太平洋横断を達成し、新西宮ヨットハーバーに帰港した堀江謙一さん＝５日午後、兵庫県西宮市