残留盛り土対策で措置命令＝土石流崩落地の前所有者に―熱海市

　静岡県熱海市で昨年７月に起きた土石流災害で、崩落した土地に残った盛り土について、市が土地の前所有者に対し、安全対策を求める措置命令を出したことが１日、関係者への取材で分かった。命令は５月３１日付。 　県の調査によると、崩落地には盛り土が約２万立方メートル残っていると推測される。市は前所有者の不動産管理会社（神奈川県小田原市）元代表に対し、残留盛り土の安全対策を講じるよう行政指導していたが、応じなかったため強制力のある措置命令を出した。　 　排水工事や土砂撤去を命じる内容で、今月３０日までに安全対策計画を提出するよう求めた。従わない場合は、市が盛り土の撤去などを行い、工事費を請求する行政代執行も検討している。 　崩落した盛り土をめぐっては、２００９年と１１年に市が前所有者に安全対策を求める措置命令の発出を検討したが、見送っていたことが判明している。（了）【時事通信社】