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東部拠点から「戦略的撤退」も=ロシア軍が包囲強化―ウクライナ軍


 【ロンドン時事】ウクライナ東部ドンバス地方ルガンスク州でロシア軍の猛攻を受けるウクライナ軍が「最後の拠点」としてきたセベロドネツクから「戦略的撤退」を始める可能性が浮上している。ガイダイ州知事が27日、見通しを示した。セベロドネツクの陥落はロシアによるルガンスク州の完全制圧につながるため、ウクライナ側は激しい抵抗を続けるが、包囲網強化で苦戦を強いられている。
 知事は通信アプリ「テレグラム」への投稿で「ロシアが向こう数日間でルガンスク州を占領するのは不可能だ。われわれには防衛のための十分な力と手段がある」と主張した。一方で「(ロシア軍に)取り囲まれないため退却せざるを得ない可能性がある」と認めた。
 セベロドネツクは支配地拡大を狙うロシア軍の猛烈な砲撃にさらされている。知事によれば、市内の建物の9割が被害を受けた。逃げ遅れた民間人も多数いる。死者は増え続ける一方だ。
 既にロシア兵が市内の一部に侵入したと訴える情報もある。ウクライナ側は、完全に包囲されて退路が断たれる前に退避する方向へ判断が傾いているもようだが、東西と北側からロシア軍に攻められ、南はドネツ川に阻まれる厳しい状況が続いている。
 一方、ウクライナ東部の親ロシア派勢力は27日、セベロドネツク西方の町リマンを掌握したと主張した。リマンは鉄道の重要拠点で、ドネツク州の要衝スラビャンスクの北東約20キロに位置する。 【時事通信社】
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